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注目!のwebマスター2006年 9月 8日 従来の仕事の枠に囚われずに - 【挨拶状ドットコム】徳丸博之様
況に苦しむ家業の立て直し![]() 今回ご紹介するのは、不況に苦しんでいた家業の印刷工場を見事に立て直した、【挨拶状ドットコム】 のWebマスター徳丸博之様だ。パソコンが苦手だったという同氏であるが、Webの世界へと活路を見出し、事業を拡大させることに成功している。印刷業界ではニッチなカテゴリとなる 「挨拶状」 に特化することで、大手との競合を避け、着実に売上げを伸ばしてきているのだ。 同氏は2000年に、両親・妹で営んでいた家業である印刷会社へと転職した。当時の同社は不況のあおりで業績が厳しく、売上は最盛期の4分の1にまで減少し、借入金額は増える一方という危機的な状況となっていたのだ。同氏の前職は銀行勤務で、様々な企業再建に関わってきた経験を持つことから、家業の建て直しを期待されていた。 まずは借入金を減らすことを優先し、自宅や家財などを処分、運転資金を捻出する。下請け仕事も激減していたため、新規開拓の営業を積極的に行っていくと、「売り上げは増えるのですが、印刷物というのは単純な物販ではなく1件1件のオーダーメイドですので、受注を処理していくのにかなりの手間が必要でした。」 あまりの多忙さに、体調を崩してしまい、一人での営業に限界を感じるようになる。 「営業で売上げを増やすために、腹を決めて人をいれるか、利益率を落として完全に外部委託にしていくかという判断に悩んでいたところ、ネット通販で実績を出している同業の友人に刺激を受け、まったく違う販路であるネットショップを運営していくことに興味を持ちました。」 すぐに、大阪市が運営する 『うりうり教習所』 のネットショップ講座を受講し、2004年9月、Webショップをオープンさせた。 しかし、実はこの頃はまだパソコンに対して苦手意識があったのだという。「エクセルとワードを少しいじる程度でした。ネットで買い物をしたこともなければ、ショップ運営などはもちろん右も左もわからずでしたので、かなり必死でした。」 こんな状態からのスタートだったのだが、「当初、売り上げが月10万未満でしたが、忠実に講師の方々のアドバイスに従い実践したところ、3ヶ月で月商100万円を超えるようになり、着実に増えていきました。」 売上げは順調に推移していった。 Webショップの売上げが増すにつれて、同氏はますます多忙を極めるようになる。「簡単にネット通販にシフトしていけるわけではありませんので、リアルとネットの仕事が単純に倍になり、まったく寝ずに仕事をしていた日々がずいぶん長くあったような気もします。」 中小規模の企業ではよく見受けられる問題だと言えるだろう。サイト開設から半年後には、いよいよ順調に月商200万円を超えるようになり、少しずつ人も雇い入れ、営業体制を整えていく。 同社のビジネスでは、最大の繁忙期は年末の年賀状印刷となる。それまでに着実に売上げを増やし続けた同社は、2005年の年末には年賀状印刷で、予想を大幅に上回る受注を獲得することができたのだ。 しかし、売上げの急増は喜ぶべきことばかりではない。「急激な売り上げ増加に体制がまったく追いつかず、接客の対応が遅れる、納期遅れが発生する、かなりきついミスやクレームもありました。人員も足らず、急な人員確保に動くもスタッフも半分徹夜が続くなど、精神的にかなりのプレッシャーで、一番大変でした。」 年賀状が年始に間に合わないというとんでもない事態となる心配まで出てきたため、好調だったPPC広告などでの集客をストップし、注文最終日を当初よりも数日繰り上げるなどの対応に追われることになってしまった。 「その経験があったので本気でしっかり計画・準備をすることの大事さを学び、いかに先読みしていくかということを常に意識するようになりました。なかなか難しいですが…」 今後、大きくステップアップしていくための先行投資として、すでに事務所移転、人員増強、システム増強などを行っており、失敗の教訓は十分に活かされているようだ。 「挨拶状」に特化した意図とは現在のビジネス社会では、通常の連絡手段はメールが全盛となってきており、葉書を出す機会は極端に減っている印象がある。何故こんな時代に敢えて 「挨拶状」 というカテゴリに特化しようと思ったのだろうか。 「私の前職は転勤が当たり前の会社だったのですが、いくらネットが主流になっても、自分も含めて、みんな転勤すると知人や取引先に挨拶状を出していたのを目の当たりにしていました。メールが主流だからこそ、大切な方への肝心な近況報告などではまだまだ挨拶状なんですね。」 確かに、現在でも年賀状を送りあう文化というのは廃れずにしっかりと残っている。 「日本人の古来からの特性からいきますと、人のつながり、ぬくもりを大事にする文化ですので、気持ちが伝わる挨拶状というのはデジタルの時代になればなるほど逆に脚光を浴びてくると思います。お客様の声を伺っていますと、特にそう感じます。」 また、こうした自らの体験などだけではなく、以前から考えていたネットショップに適している商材の条件に合致していたことも重要だった。その条件とは、
さらに、「個人であれば、リアルでどこに注文したらいいかわからない。法人であれば、取引のある印刷会社に注文するまでもない小額の印刷物なので、手間を省くのにネットで注文しようというケースが多い。そんなことも考えていました。」 このような計算があったのだそうだ。 しかし一方で、年々家庭用プリンターが高性能化してきており、“自分で印刷する” という傾向が強まることも考えられるのではないだろうか。その点について伺ってみると、「一般ユーザーの方が自身でプリントしていけばいくほど、『やってみたけど面倒だ』 という方も増えてきます。家庭用プリンターが高性能といえど、今のところ限界もあり、実際にきれいに仕上げるための難しさを感じる方も多いのです。」 この流れも、将来的にもそれほど大きな脅威とならず、十分に住み分けは可能だと考えているのだ。 「手間をかけても納得のいくものができないので、コストをかけてプロにいい物を作ってもらおうとするお客様も多いのが現実です。その方たちに満足度の高いお仕事をさせて頂くと、リピータになって頂けると考えています。」 その強みと難しさ![]() 挨拶状の印刷を行っていく上で、最も大変なことを伺ってみると、「やはり物販とは違い、注文を受けてから制作、校正、訂正、校正、印刷、検品というお客様とのやりとりも含めた流れがあり、1件を処理するのにかなりの手間がかかっていることですね。」 またビジネスユースの場合では、地図が必要となったり、文面の相談を受けたりと、スキルとスピードが求められることも多くなり、ここを効率化するために常々苦労しているそうだ。 同社のサイトでは、元から様々な文例が用意されており、そこから適したものを選ぶことができるようになっている。スタート時には、文例数はわずか16種類だったのだが、現在では150種類を超えるまでに充実させてきているのだ。「文例は、リクエストもあって少しずつ増やしていますが、色々なケースが出てくるため、テンプレート化できない場合も多いのです。ビジネスユースでは形式を重んじるため、相応のスキルも求められ、それなりの勉強も必要ですね。」 しかし、これだけの文例を用意してあったとしても、やはり文章に関する相談は非常に多いのだという。「しかし、基本的にはこちらでお作りすることはいたしておりません(結果的にお手伝いすることは多いですが…)。こちらではお客様の環境は具体的にわかりませんので、お応えしようにも実際には難しいところがあります。」 顧客のニーズに応えながら、どこまでの省力化を図れるかが今後の鍵となるだろう。 「挨拶状」 で検索してみると50万件近いサイトがヒットする激戦区であるだけに、同業他社との差別化も必要となってくる。同社のサービスの優位性を伺うと、「“宛名印刷” を承れることでしょうか。宛名面まで迅速に承れるところは他にはほとんどありません。」 挨拶状の印刷を注文した方へのオプションとして、印刷と手書きの双方の宛名書きも依頼できるようになっているのだ。これにより、限りなくワンストップサービスに近づいており、強力な差別化要因となっていることだろう。 また同社では、ビジネスユースのモノクロ印刷がメインのサービスを「.com」ドメインで展開しているだけではなく、カラー印刷の華やかな印刷を行うサービスを「.jp」ドメインで開始している。敢えて別ドメインでの展開としているのは、客層の違いによるためだそうだ。「同じ挨拶状でも、『.com』 では手間を省きたい忙しいビジネスマン、または会社の総務担当の方(ビジネス向け)で、『.jp』 では急ぐというよりかわいらしい気持ちが伝わるいいデザインを求める、どちらかというと主婦の方(家族向け)となり、訴求する部分も大きく違います。」 カラー印刷のサイトでは、個人からの注文比率は9割にも達しており、この戦略は的確だったようだ。 “人と人とのきずなを深める”サービスを今後の展開を伺ってみると、「挨拶状を通じて、まだ手がけていないあらゆる挨拶状印刷の、心のこもったサイトを作っていきます。来年中には、結婚報告、引越し報告、出産報告、年賀状、喪中、お悔やみ関係と、日本一の挨拶状サイトにしていきます。」 まずは現在運営中のサービスの充実に努めていくようだ。 しかし、例えば名刺印刷のサービスを行うなど、従来の印刷業の発想で展開を広げていくという考えは今のところ無いのだという。同社の理念である “人と人とのきずなを深める” サービスを提供していくことに注力していくことを最優先としており、挨拶状もその一つの手段と考えているのだそうだ。 「挨拶状印刷サイトで作っているコンテンツは、“人々の段階的な生活シーン” なんですね。個人では結婚の挨拶や、引越しや出産で環境の変化を伝えたり、家族も増えて年賀状を作ったり、またはお悔やみなどもあり…。また法人では、会社設立の挨拶、事務所移転の挨拶、社長交代の挨拶など、個人と同じように事業シーンの変わる場面にわれわれのサイトと出会う機会があるわけです。そんな大切なシーンに人と人とが繋がるための色々なサービス、情報提供、支援ができればと考えています。」 今後の展開も、この考え方を推し進めて、「“人と人とのきずなを深める” と考えたときに扱えるもの、例えば大切な方へお送りする贈答品(ギフト)であるとか、思い出に残るアルバムの製作のネット通販であるとか、人と人とが触れ合えるコミュニティの運営だとか、人との繋がりを通じた商材に関して色々と考えているところはあります。もちろん印刷に絡めることが経営資源を活かすことになり、早い段階での収益確保になると思いますが…」 など、様々な構想が浮かんでいるようだ。どのような方向性を選んでいくのか、期待して見守ってみたい。 最近のエントリー
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