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2006年 7月18日

イベント企画を販売するために - 【バルーンポップ】得居裕江様

広告クリエイターとバルーンとの出会い

【バルーンポップ】得居裕江様

 今回ご紹介するのは、バルーンを使用したイベントのプロデュースや、関連商材の販売を行なう 【バルーンポップ】 のWebマスター得居裕江様だ。同店へ依頼すれば、顧客の要望や予算額、参加者の年齢層といった条件を聞き入れながら、誰もが楽しめるバルーンイベントを提供してくれる、まさに “その道のプロ” である。子どもたちの沢山の笑顔が見られる画像を多用することで、これまでのイベント開催実績をアピールし、見事に事業の窓口として機能しているサイトとなっている。

【バルーンポップ】トップページ

 得居様は、1993年からフリーランスの広告クリエイターとして活躍していた。その後、次第に活動の幅を広げ、「デザイン専門学校やカルチャースクールでの講師のほか、POP広告の企画制作や小売店の販促指導を行っていました。」 と、子育てに追われながらも、今で言うところの “SOHO” の走りとして仕事を続けていた。

 そして1999年12月、広告作品展の会場で、偶然にも知人が演出に使用していたバルーンを目にし、興味本位ですぐに基本テクニックを教わった。自分が作った作品を子どもたちに見せてみるととても喜ばれたことから、その面白さに目覚めたのだ。その時はまだ仕事に役立てようという考えもなかったのだが、後に誘われて参加した日本バルーン協会のパーティーで、会場を埋め尽くすバルーンの迫力に圧倒され、その可能性の大きさに驚かされる。次第にPOP広告の現場でも、アイキャッチとしてバルーン作品を多用するようになっていった。

 バルーンを使った仕事ぶりが知られてくる頃になると、「クライアントが増えるに従って、実績(過去の作品)をまとめた 『パンフレット』 を要求されることも多くなってきました。印刷するには経費もかかるし、一度作ると作り直すことも容易じゃありません。そこでホームページを作ることにしたのです。」 まさにSOHO的な発想だと言えるだろう。

 「これを機に、バルーンアートとPOP広告を行なうバルーンポップという事業所を起こし、独学で事業案内のホームページを作りました。」 これが2000年12月のことだった。徐々にバルーン教室の依頼は増え続け、今では様々なバルーンイベントの企画や出張教室の開催など、幅広く活動するようになってきている。

 同店の事業内容は、バルーン関連イベントの企画・運営がメインとなる。サイトを開設した頃には、まだ “ネットは顔が見えない” などと言われていた時期でもあり、現在ほどネットを介しての商取引が活発だった訳ではない。その効果にはそれほど大きな期待もしていなかったという。「はじめは単に事業紹介のつもりで開設した訳ですから、問い合わせがあったら 『ホームページを見てください』 と案内すればいいと思っていました。しかしサイト開設後は、イベントに限らず、季節の装飾やウエディングのパーティー装飾、イベントの演出など新規の9割以上がサイト経由です。ほんとに驚きました。」 テレビの取材や執筆の依頼なども舞い込むようになり、その役割はますます重要さを増してきている。

華やかそうで、実は厳しい仕事内容

イベントでは“スーパー風船先生”に

 バルーンイベントに関しては、「常にイベントネタばかり考えています(笑)」 というほど “企画” について頭を悩ませているそうだ。「主催者側には必ずイベントの目的があります。バルーンイベントを行なうことが目的ではなく、その目的を達成する手段としてバルーンを使ったイベントを行なう訳ですから、成功するための無理のない内容、安全性、事前準備など、それぞれのイベントによって提案する内容は異なってきます。」 イベントを円滑に進めるためにも、この企画段階での詳細な計画が最も重要となる。

 打ち合わせの段階での叩き台とする意味もあり、「『こんなことができるのか』ということを知っていただくため、お問い合わせいただいた事業所にこれまで行なってきたイベントをまとめた事例集をお送りしています。」 これは20の事例を掲載した、全46ページに及ぶ冊子で、イベントのイメージを伝えるために非常に役立っているという。

 「風船を使うということは、遊ぶ、学ぶ、挑戦する、飾る、見る、触れるなどさまざまな体験が可能ですし、さらに参加者によっても内容は異なります。幼児でしたら親子で一緒に楽しめるものを、小学生でしたら自分で挑戦して創造できるものを、といった感じで、1つ1つのイベントで提案する内容も異なります。屋外か屋内か、広い会場かどうか。さらに季節も考慮し、そして予算内でおさめる。企画時点で考える事柄は多いです。」

 効率化を考えれば、イベント内容を事前に決定した上で “パッケージ化” して販売するべきだろう。準備する資材や人員の手配、進行内容のシナリオから小道具まで、前もって把握できる上に、経験の少ないスタッフでも進行がやりやすくなるのだ。しかし、個別案件ごとに考慮しなければならない事柄が多すぎて、こうした販売方法は難しいのだそうだ。

 また、当然のことであるが、楽しいイベントの準備とはいえ、裏方に回ってみれば決して楽な仕事ではない。「バルーンアートって、一見華やかな世界に見えますが、作業的にはとても地味。60kgのボンベを運んだり、風船を何百個も結んで指が切れたり、筋肉痛にもなります。」 そんな作業が待っているのだ。

 それでも続けていけるのは、「実際にイベントを実施して、参加者が楽しんでいる様子を見ると、主催者の方も喜んで『楽しかったです』とおっしゃられます。そして、うちのスタッフも『楽しかったね』と嬉しそうにしていると、また次やろう、という気持ちになります。」 このように多くの笑顔と直接触れ合えるためだろう。モチベーションを高める大きな要因となっていることは間違いない。

 こうした状況から、個別のイベントの内容の充実を図るために、「規模にもよりますが、たくさんご依頼をいただきましてもこなすことはできません。今はまだ1つ1つを丁寧に完璧に行なうことを第一に考えているため、無理に数を増やす事はしていません。」 急拡大は目指さずに、一歩ずつ地道に成長していく道を選んでいるようだ。

バルーンの販売に関して

一番人気の「チョコっとプチバルーン キット」

 バルーンの販売に関しては、当初は楽天市場へ出店して行っていた。出店したのは2001年5月のことで、きっかけは、「たまたま福岡で説明会があることを知り、ちょっくらネットの話しでも聞いてみようか〜、のつもりだったのですが、まんまとつられて契約してしまいました(笑)」 と、まだ気楽に考えていたのだそうだ。

 しかし、お客さまとやり取りをしていると、『口で風船を膨らましたけど、浮かんでくれません』『風船を結ぶのはどうしたらいいですか』『ヘリウムガスで浮かぶゴム風船はどれですか』などの質問が寄せられ、一般の方たちが余りにもバルーンに関しての知識を持っていないことに驚いたのだという。「もっと、バルーンの正しい知識や取扱い方法、また楽しみ方を伝えていかないと、今以上には広まっていかないということを感じました。『物販は他の人でもできるけど、風船の扱い方や楽しみ方を広められるのは、“スーパー風船先生” の私しかいない!』と思ったのです。」 このような理由から2005年11月に退店、今は本サイトのみに集中している。

 購入者の傾向としては、自宅で楽しむ方以外にも、「『学校関係が多いなー』と思ったら、文化祭や学園祭用だったり、病院や商店、イベント目的、さらに個人のお客様では、ウエディング(二次会)やお誕生会など、ご利用は多岐に渡ります。」 と、実に幅広い。また、「季節のものとして、ハロウィンとクリスマスの関連商品がとてもよく出ます。本場のアメリカのメーカーのものですから、プリントも楽しいものばかりです。」 このような注文が増えるのだそうだ。

 同店で一番の人気商品となっているのが、オリジナルの「チョコっとプチバルーン キット」だ。これは、透明風船の中にチョコボールを入れて美しいリボンで飾りつけるもので、様々な場面で利用されているという。「作って楽しい、飾って楽しい、あげて楽しい、食べて楽しい、これ1つで何度も楽しさが味わえる自慢の逸品です。これにはとても思い入れがあり、『この楽しさを全国の人に味わっていただきたい!』という思いで、ネットショップをはじめたと言っても過言ではありません。」 サイト開設の当初からずっと売れ続けている看板商品となっている。

将来的な夢“風船カレッジ構想”

 得居様は、「世界公認バルーンアーティスト」 という資格を持っている。「これは、アメリカのパイオニアバルーン社が主催する民間資格で、世界的にみてもバルーンアートで唯一のものです。筆記試験、写真提出、実技試験、口答質問があり、バルーンアートの基盤を理解しているかどうかを試されます。」 こうした厳しい審査の末に取得できるものなのだそうだ。また、「日本バルーン協会」にも所属しており、バルーン文化を広めるための活動も行っている。

 一般的なイメージとして、“風船を飛ばすことは地球環境に悪影響だ” と思われがちだが、天然ゴム(=ラテックス)から作られた風船は、樫の落葉とほぼ同じ速さで分解されていくのだそうだ。またゴムの木は、減少が懸念されている熱帯雨林の主要な植物でもあり、ゴムの木の経済的価値が増すことで無闇な伐採から木々を守ることにも繋がっているのだという。

 こうした事実を広く知らしめるために、「一次情報を得るために、2004年には実際にタイのゴム農園や精製工場を見学にいきました。このため、今では自信をもって、ゴム風船は地球にやさしい商品であることをご説明しています。また、イベントやセミナーでも、できるだけパネル展示や導入部でこの話をしています。」 このような活動も積極的に行っている。

 これまでサイト運営を続けてきた中で、特に大変だと感じた時期というのも思い当たらないという。「引き続いて広告デザインの仕事もしていて、ショップの売り上げだけでやってきた訳ではありませんから。『大変、大変』と言ってたことはよくあったと思いますが(笑)、今覚えていないということは、さほど大変ではなかったのだと思います。」 こんな心構えで臨めるのも、きっと自らが楽しんで取り組んでいるからに違いない。

 今後の展開を伺うと、まずはサイトのコンテンツを充実させて、もっと幅広くバルーンの魅力を伝えていきたいとのことだった。「動画も簡単に設置できるようになってきたので、風船の口の結び方や簡単な作品の作り方、スティックなどの付属品の使い方を動画で紹介していきたいと思います。」

 そして、「全国各地で、風船を使った体験参加型のイベントを行ないたいです。」 とのことで、そのために、アシスタントではなく “風船先生” と言えるレベルのスタッフを育てていくことを考えているそうだ。また、「風船って、装飾にも、演出にも、販促にも、遊びのアイテムにも、学習にも、いろんな使い方ができるすぐれものだと思います。これは、本にまとめる予定でいます。」 と、出版をも視野に入れているのだ。

 さらにその先には、バルーンに関して様々なことが学べ、商品開発なども一手に行う場を作るという “風船カレッジ構想” という、目標もあるという。「バルーンでびっくり笑顔、作りましょう!」 という事業コンセプトそのままに、大きな夢を膨らませているのだ。

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